🌳読解力をつける学習法🌳

紙の辞書を使おう

何をさしおいても、力を込めて言いたいことは、「紙の辞書を使おう」ということです。

わからないことばが出てきたらひたすら「紙の辞書」を引いていくという作業を繰り返すことで、古文の読解力は相当上がります。

電子辞書とかネット辞書じゃダメなの?

古文という科目に関して言えば、いまのところ「紙の辞書」がいいです。

第一に、紙の辞書のほうが解説がくわしいものが多いです。(成り立ちなど)

第二に、紙をパラパラめくる行為や、別のことばが左右上下に広がっていること(いわゆる余剰情報)などが、「覚える」ことに大きく貢献します。

中高生という、「思考」や「暗記」が最も効率的にできる時期に、紙での勉強から距離をとることは得策ではないのです。

せっかくのボーナスタイムがもったいないということなんだな。

もちろん、必要に応じてPCやタブレット等のテクノロジーを有効に活用することのメリットは大きいものですが、「記憶に入れる」「記憶から取り出す」という両面において、紙での学習の効果を過小評価してはなりません。

英語などは、「(a)実際の発音がわかる」「(b)辞書そのものの選択肢が多い」という点で、電子辞書ならではのおすすめポイントもあるのですが、古文については、紙の辞書の優位性はまだまだ健在です。

おすすめの辞書についてはこちらをどうぞ。

教科書を訳していこう

さて、読解力をつける学習としておすすめの方法論は、「教科書の古文を現代語訳していくこと」です。

結果的にそれが入試の得点力に直結します。

授業で品詞分解をしたりして、けっこう精密にやっていると思うよ。

学校の授業では、教科書の作品をいくつかピックアップして扱いますよね。

時間の都合で仕方がないのですが、本当は、教科書に載っている古文はすべて読むことが望ましいです。できれば、授業で扱わなかったものも、すべて逐語訳できるようにしましょう。

たしかに、授業で扱わない作品まで読んでる人は、国語の達人的な雰囲気があるよな。

これは現代文でもそうなのですが、「できる人」は、授業で扱わなかった作品まで読んでいる傾向があります。

教科書は良質の文章がたくさん載っていますので、「読んで損する」というものは存在しません。全部読んだほうがいいです。

特に古文については、教科書で学習するメリットが大きいです。

メリットとは?

第一に、単語や文法の基礎事項がまんべんなく配置されていることです。入試に必要となる文法事項は、高1と高2の教科書にほぼすべて入っています。単語もかなりの数をカバーできます。

第二に、比較的容易に「現代語訳」を見つけられることです。教科書に載っている古文は、インターネット上で訳を見つけることができますので、授業でふれなかった作品も学習しやすいというメリットがあります。

このサイトも、そういう学習の補助ができるように、教科書にまつわるコンテンツを増やしています。

基礎定着のために、参考書も活用しよう

教科書は、最初のうちは訳しやすく平易な文なのですが、いつのまにかけっこう難しくなっているんですよ。

そのため、「古文」と「現代語訳」を往復してみて、どうしてそういう訳をするのかわからないところが多いのであれば、文法の理解に欠落があります。

その場合、教科書を読むための「基礎」として、入門・基礎レベルの参考書を読んでおいたほうがいいと思います。

その段階では、語り口調の、「これ以上わかりやすく説明した本はない」という水準の本を選びましょう。以下の記事を参考にしてください。

単語集でチェックしよう

読解作業と並行してやっていきたいことは、「重要単語を覚えているかどうか」をチェックし続けることです。

これについては、学校で採用して配布するところも多いので、それを使えばいいと思います。

もし、自分で購入する場合には、次の記事を参考にしてください。

+αとしての『読み解き古文単語』

なお、「教科書は読み終わったからもっと読みたい」「スタンダードな古文単語集はほぼ完璧」という場合には、次に読むものとして『読み解き古文単語』をおすすめします。「右ページの古文を読んで、頭の中で口語訳をして、左ページで確認」という作業を繰り返すと、よいトレーニングになります。

これを読み込んでおくと、単語のみならず、よく使われる言い回しや、古典常識の理解も深まります。

ただし、文章のレベルは難しいので、教科書水準のトレーニングを終えてからが理想です。

最後は過去問題

前述したことを果たしたあとは、過去問あるのみですね。

最高の問題集は、受験校の過去問題です。

でもさ、過去5年間で出題された古文が、同じ学校で出るはずはないから、それほど価値がないんじゃないの?

しかし、A大学で出た文章が、次の年のB大学に出るということはあります。また、「問われる文法事項」「必要になる単語の知識」というのは、複数の受験校の過去問で重複してきます。つまり、いろいろな大学の問題を解くことは、相互に好影響をもたらしてくれます。

また、その大学特有の「選択肢のくせ」みたいなものがあって、かなり意訳してくる大学もあるんですね。「ここまではセーフ」「これは意訳しすぎ」といった「境界」を理解するうえでも、受験校の過去問を解かないということはありえません。

ふむふむ。