古語辞典(学習者用) ― 学力の基幹となるおすすめの2冊 ―

大学入試に臨むにあたり、古語辞典は必須です。

国立二次試験や難関私大の古文を読解するためには、どうしても辞書が必要です。

辞書

「辞書」については、「入試」の水準でいえば、大きくて分厚いものではなく、「コンパクト版」で十分です。むしろ、「コンパクト版」のほうが、受験生が知っておくといい情報を端的にまとめていますので、「コンパクト版こそ至高」だと言えます。

ベネッセ全訳コンパクト古語辞典(ベネッセ)

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『ベネッセ全訳古語辞典』のコンパクト版です。

コンパクトではあるものの、「語の成り立ち」などは、この「コンパクト版」にしか載っていないものもあります。

重要語に関しては、原義のニュアンスがそのまま生きている例文を「コア用例文」として配置しています。この「コア用例文」だけひたすら眺めていても、古文の読解力は格段に上がります。

下段のエリアが「重要語」として広くなっているため、下段だけずっと読んでいくという勉強の仕方も可能です。

新全訳古語辞典(大修館書店)

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『古語林』を「学習者向け」にまとめなおした感じです。ややコンパクトなので、一般的な辞書よりも持ち運びしやすいです。

すばらしい点はたくさんあるのですが、まず「訳語」を意識的にしぼっているところが最高です。

他の辞書だと割とあれこれ書きすぎてしまい、「意訳」のレベルのものまで書いているものもあります。受験生がそれらすべてを覚えるのは困難ですし、「本義」から離れてしまうのでかえって逆効果になりかねません。

『新全訳古語辞典』は、「訳語」を「本質」にしぼって必要最小限にしています。「逐語訳」のためには、これで十分すぎるほど十分です。このさじ加減が秀逸なのです。

もちろん重要語は目立つ工夫が施されていますし、「本義」にふれながら、「これで覚える!」という重要例文をセットにしています。

じゃあ、辞書は、この2つのうちのどちらかがいいんだな。

「受験生」が使用するのであれば、このどちらかがおすすめです。

受験後にも古語を調べるなら……

国文学科や日本文学科に進んだ学生さんが使用するなら、もうちょっと大きいやつがいいですね。

全訳読解古語辞典(三省堂)

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重要語には「語義要説」があり、原義がよくわかります。

例文の訳し方も基本に忠実で、受験生が参考にすべき訳になっています。

岩波古語辞典(岩波書店)

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動詞は「連用形」を見出し語としています。そういう個性の強さが最高です。

たしかに、動詞って、文中にあるのは連用形が多いよね。

ベネッセ全訳古語辞典

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前述した『ベネッセ全訳コンパクト古語辞典』の大きいやつです。

成り立ちに言及する「発展」というところが充実しており、単語を覚える観点でも「発展」がとても役立ちます。

欄外の「語源」コーナーなども面白いです。

古典基礎語辞典

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よく使用される古語が、どういう経緯でそのかたちになっていったのかが説明されている辞書です。『岩波古語辞典』のベースとなるものであり、成り立ちに関しては『岩波古語辞典』よりもくわしく説明されています。

古語の研究者にとってはたいへん意義深い辞書であり、学校の古文の先生は持っている方が多いです。

十分な根拠があるとは言えない推察も含まれてはいますが、仮説を提示すること自体がたいへんに意義深いことなので、類書がもっと出てきてほしいです。

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