★重要単語

うつろふ【移ろふ】 動詞(ハ行四段活用)

「移る」に、継続(反復)の意味を持つ「ふ」がついて一語化したものです。「移る」が単純に「位置が変わること」「移動すること」を意味していることに対して、「うつろふ」は、時間の経過に伴って、徐々に変化していくことに使用されやすいですね。
◆問題演習

桜ははかなきものにて、かく程なくうつろひさぶらふなり。(宇治拾遺物語)

『宇治拾遺物語』の一節です。桜の花が散るのを見て涙ぐむ児を見て、僧がなぐさめますが、児は、「桜ではなくて、父のつくった麦が散って、実が成らないと思うとつらい」と答えます。
★重要単語

こうず【困ず】 動詞(サ行変格活用)

「困(こん)」という漢語に、サ変動詞の「す」がついたものです。そのため、当初は「こんず」という動詞でした。「ん」というひらがながなかった時代に、表記上は「う」と書いていたことから、そのまま「こうず」と読むようになっていったと考えられています。
★重要単語

にほふ【匂ふ】 動詞(ハ行四段活用)

「に」は「丹」で、「ほ」は「秀・穂」だと言われています。「丹」は「赤土」のことですが、「朱色」という色自体も意味します。朱の塗り物を「丹塗り」などと言いますね。それが、ひときわ優れて現れていることが「ほ」であり、「ふ」がつくことで動詞化しました。このように、もともとは「赤く美しい色が映える」ということで、視覚的な美しさを意味する語です。
◆問題演習

かたみに隔てなく物語しけるついでに (落窪物語)

『落窪物語』の一説です。ポイントは、「かたみに」と「ついで」です。
★重要単語

ぐす【具す】 動詞(サ行変格活用)

「具(ぐ)」にサ変動詞の「す」がついたものが「ぐす」です。「具」とは「防具」「道具」などの「具」であり、主たるものに「くっつくもの」を意味します。「具す」対象が「モノ」であれば、「そなえる」「そなわる」と訳します。「(人を)具す」という場合には、「連れていく」「引き連れる」などと訳し、「(人に)具す」という場合には、「連れ添う」「付き添う」などと訳します。
★重要単語

かたみに【互みに】 副詞

「片身」という語から、「かたみに」という副詞になっていきました。もともとは「片方の身」ということから「各自」「それぞれ」という意味を持ちましたが、その用例はほとんどありません。多くの場合、「片方」と「もう片方」が、何かを交互にすることを意味し、「たがいに」「かわるがわる」と訳します。
★重要単語

けざやかなり 形容動詞(ナリ活用)

「界(け)」が「清か(さやか)」で「けざやか」です。つまり、何かと何かの境界がはっきりしていることを意味しています。「さやかなり」は、対象そのものが「明るくはっきりしている」ということですが、「けざやかなり」は、他のものとの「区別」や「違い」がはっきりしているいうところに意味の重さがあります。
◆問題演習

いとどゆかしさまされど (更級日記)

『更級日記』の冒頭部分です。ポイントは、副詞「いとど」、名詞「ゆかしさ」、動詞「まさる」です。
★重要単語

おぼろけなり【朧けなり】 形容動詞(ナリ活用)

「朧(おぼろ)」という語がありまして、これは「ぼんやりしている・かすんでいてはっきりしない」ということです。「おぼろけなり」は「朧」の「気(雰囲気・気配)」があるということですから、事実としてかすんでぼんやりしているわけではなくとも、雰囲気的にはかすんでぼんやりしている状態を意味しています。「オーラが際立っていない」ということですから、「普通だ」「並大抵だ」と訳すことになりますね。
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