〇和歌 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな (三条院) 心ならずもこのはかない現世に生きながらえるならば、恋しく思い出されるにちがいない、そんな夜更けの月だなあ。 2024.04.01 〇和歌
〇和歌 やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな (赤染衛門) (あなたが来ないとわかっていれば)ためらわずに寝てしまっただろうに。(あなたを待っているうちに)夜が更けて、とうとう西にかたむくまでの月を見たことだよ。 2024.03.30 〇和歌
〇和歌 もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし (前大僧正行尊) 私がおまえをしみじみいとしいと思うように、おまえもいっしょに私をしみじみいとしいと思ってくれ、山桜よ。花であるおまえのほかに、心を知る人もいないのだ。 2024.03.25 〇和歌
〇和歌 しのぶれど 色にいでにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで (平兼盛) つつみ隠していたけれど、顔色や表情に出てしまっていたのだなあ、私の恋は。恋のもの思いをいているのかと、人が尋ねるくらいまで。 2024.03.25 〇和歌