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★単語

おぼゆ【覚ゆ】 動詞(ヤ行下二段活用)

動詞「おもふ」に上代の助動詞「ゆ」がついて、「おもはゆ」になり、「おもほゆ」を経て「おぼゆ」と一語化したものです。「ゆ」は「自発・受身」の意味がありましたが、平安時代には動詞の一部に残っただけで、助動詞としてはなくなりました。代わりに用いられたのが「る」です。そのことから、「おぼゆ」は、「おもふ」に「自発」「受身」のニュアンスを付け加えて理解するとよいとされます。とはいえ、肯定文の場合、ほとんどは「自発」の意味で、「思われる」と訳せばよいケースが多いです。否定文の場合、「思い出せない」といったように、「可能」の意味合いが含まれることがありますが、多くはありません。
◆問題

別人に手触れさせむもうたておぼゆるに、(源氏物語)

『源氏物語』の一節です。ポイントは、名詞「別人」、助動詞「さす」、助動詞「む」、副詞「うたて」、動詞「おぼゆ」です。
◆問題

尋ねきこえまほしき夢を見たまへしかな。(源氏物語)

『源氏物語』の一節です。ポイントは、敬語動詞「聞こゆ」、助動詞「まほし」、助動詞「き」、動詞「たまふ」、終助詞「かな」です。
◆問題

しる所などたびたりけるとなん。(今物語)

『今物語』の一節です。ポイントは、動詞「しる」、動詞「たぶ」、助動詞「たり」、助動詞「けり」、係助詞「なん」です。