めでたし【愛でたし】 形容詞(ク活用)

大絶賛!

意味

(1)すばらしい・見事だ

(2)喜ばしい 

ポイント

「めづ(愛づ)」「いたし(甚し)」から成る「めでいたし」がつまって「めでたし」になりました。

「賞賛する」+「はなはだしい」ということであり、「すばらしい」という意味になります。

これ以上ないほどの誉め言葉だと思ってください。

じゃあ、「めでたし」という形容詞が出てきたら、この上なくほめていると考えればいいんだな。

そうです。

記述問題なら、「すばらしい」としておけばまず大丈夫です。

選択肢問題なら、文脈にあわせて「立派だ」「美しい」などとすることもあります。意味内容として「すばらしい」に一番近いものを選びましょう。

(2)の「喜ばしい」という意味は、平安時代末期以降に出てきた意味です。これは現代語に近い訳語ですね。

例文

藤の花は、しなひ長く色濃く咲きたる、いとめでたし

(訳)藤の花は、(花房の)しだれが長く、色が濃く咲いているものが、たいそうすばらしい

十月ばかりに、木立おほかる所の庭はいとめでたし

(訳)十月頃に、木立が多い家の庭はたいそうすばらしい

世のめでたきためし、これに過ぎたることはよもあらじ。(御伽草子)

(訳)世の中の喜ばしい例は、これ以上のことはまさかあるまい。