あからさまなり 形容動詞(ナリ活用)

意味

① ほんのちょっと・ほんのしばらく

② 急に・突然に 

ポイント

「あかる」という動詞がありまして、「離る・別る」などと書きます。漢字をみてのとおり「離れる」ということです。「あからさまなり」という形容動詞は、ある人やモノが、パッとその場を離れるような様子を示しているのですね。

それがどうして「ほんのちょっと」になるんだ?

「あかる」は「つどふ」の対義語なんです。つまり、「集合しているものがパッと散り散りになる」イメージです。

他に「わかる(別る・分かる)」という動詞もありまして、こちらは「あふ(会ふ)」の対義語です。「わかる」は、「ひとつのものが別々になる」イメージです。

ああ~。

「あかる」は、「いったん解散!」みたいな感じで、「わかる」「ロング・グッドバイ」みたいな感じなのかな。

まさにそのとおりです。

「あかる」は、そもそも「つどふ」ところがあったわけですから、一度「解散」しても、またそこに集まる可能性がけっこうあります。

つまり、「わかる」に比べると、「あかる」は、「短期的な解散」に過ぎないことが多いのです。

「あからさまなり」という形容動詞は、その「短期的である」ということに意味の比重がありまして、「ほんのちょっと(の間)」「ほんのしばらく(の間)」と訳すことになるのです。

あからさまに業務スーパー行きけり」なんて言う場合、短期的なお出かけであって、すぐに家に帰ってくるつもりだということなんだな。

そうです。

したがって、「あからさまなり」は、下に動作を伴って、「あからさまに〇〇」という形(連用形)で用いられることがほとんどです。

しかも、「出づ」「まかづ」「まゐる」「渡る」など、移動の動作を修飾することが多いですね。

平安時代になる前は、パッと移動する「速さ」に意味の比重があって、「急に」「突然に」と訳すケースがありましたが、平安時代はほとんど「ほんのちょっと」「ほんのしばらく」で通用しますね。

例文

なほいとゆゆしくて、六条院には、あからさまにも、え渡りたまはず。(源氏物語)

(訳)やはりたいそう不吉で、六条院には、ほんのちょっとの間も、お出かけになれない。