おほどかなり 形容動詞(ナリ活用)

意味

(1)おおらかだ・おっとりしている

ポイント

「おほどかなり」は、「おおらかな様子」を示すほめ言葉です。「おほどく」という動詞もありまして、それも「おおらかさをそなえる」という意味になります。

「おいらかなり」と意味が似ていますが、「おいらかなり」のほうは、「不必要に波風を立てない」という「平静さ」のニュアンスを持つのに対し、「おほどかなり」は、多少の波風があっても受け入れられるような「器の広さ」を示しています。

「おほ」「どか」で、「大きくてどっかりしている」というイメージだな。

「おほどかなり」の語源はよくわかっていないのですが、本当にそうかもしれないと思わせるほど、ぴったりしているイメージです。

「大きくてどっかりしている」⇒「おほどか」というのは、覚えやすいですね。

例文

女、はた知らず顔にておほどかにて居給へり。(枕草子)

(訳)女君は、素知らぬ顔でおっとりとお座りになっていた。

いとおほどかに女しきものから、気色づきてぞおはするや。(源氏物語)

(訳)たいそうおおらかで女らしいけれども、一風変わってしっかりしたところがおありだよ。