★重要単語

めづらし【珍し】 形容詞(シク活用)

動詞「愛づ(めづ)」が形容詞化した語です。「めづ」が、「ほめる・賞賛する・かわいがる」ということですから、「めづらし」は「ほめたたえるにふさわしい」ことを意味します。平安時代の用い方では「すばらしい」とすればよいことが多いですね。賞賛すべきほどすばらしいものは、希少なものですので、(2)の「目新しい」という意味や、(3)の「めったにない」という意味でも用いるようになりました。
◆問題演習

今宵ぞやすき寝は寝べかめる。(徒然草)

『徒然草』の一節です。ポイントは、名詞「今宵」、形容詞「やすし」、連語「寝は寝」、連語「べかめり」です。
★重要単語

やすし【易し・安し】 形容詞(ク活用)

「休む(やすむ)」「休らふ(やすらふ)」などと同根の語と考えられています。そのことから、平易で気楽なイメージをもっておくといいですね。反対の意味で用いられる語は「かたし(難し)」です。あるいは「にくし(憎し)」も「やすし」と反対の意味合いを持ち合わせています。つまり、「やすし」は、「難しくないこと」や「心がザワザワしないこと」を意味しています。事態が複雑ではなく、すいすいと物事が進む状況をいう場合には、「たやすい」「容易だ」「簡単だ」などと訳します。そして、そういう状況におけるストレスのない心理状態をいう場合には、「安らかだ」「穏やかだ」などと訳します。
◆問題演習

雨もぞ降る。(徒然草)

『徒然草』の一節です。ポイントは、連語「もぞ」です。
★重要単語

もぞ / もこそ 連語

係助詞「も」は、「並列」「添加」「列挙」「類推」「言外暗示」など、様々な意味を持ちますが、根本的には「情報の追加」であり、そのまま「も」と訳出することが多いですね。そして、係助詞「ぞ」や「こそ」は、特に訳出はしませんが、強調の役割を持っています。たとえば、「雨ぞ降る」という場合、訳は「雨が降る」ということですが、語り手はその部分を強い気持ちで述べていることになります。連語「も ぞ」「も こそ」は、これらが連なった表現です。
◆問題演習

いたくすさまじからず、心にくく、(徒然草)

『徒然草』の一節です。ポイントは、副詞「いたく」、形容詞「すさまじ」、助動詞「ず」、形容詞「心にくし」です。
★重要単語

こころにくし【心憎し】 形容詞(ク活用)

「心」+「憎し」です。古文での「にくし」は、もともとは「易やすし」の反対の意味をもつ語だったと考えられています。つまり「にくし」は、「簡単にはいかない」という意味が根にあります。「対象への理解・納得がうまくいかない」ということから、「対象にとらわれている状態(対象に魅力を感じてしまっている状態)」も意味するようになるのですね。そのことから、「にくし」だけでも、心情語としての機能が備わっています。その「にくし」に「心」がついた「心にくし」は、いっそう心情語としての性格が強まっていると考えるといいですね。
◆問題演習

やがて案内せさせて入り給ひぬ。(徒然草)

『徒然草』の一節です。ポイントは、副詞「やがて」、動詞「案内す」、助動詞「さす」、敬語動詞「給ふ」、助動詞「ぬ」です。
★重要単語

あない【案内】 名詞 / あないす【案内す】 動詞(サ行変格活用)

「案」の「内」であり、もともとは「文書による説明」や、その説明の「内容」を意味します。「あない」と書きますが、「ん」は表記されていないだけなので、読みは「あんない」となります。時代が下ると、表記されていない「ん」を読みでも省いてしまう傾向が出てきますので、「あない」と読むこともあります。「案内す」というサ変動詞で使用されることも多いですね。
◆問題演習

犬のことことしくとがむれば、(徒然草)

『徒然草』の一節です。ポイントは、形容詞「ことことし」、動詞「とがむ」、接続助詞「ば」です。
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