おゆ【老ゆ】 動詞(ヤ行上二段活用)

親世代所属!

意味

(1)年をとる・老いる

(2)衰える・盛りを過ぎる

ポイント

「おゆ」の「お」は、「親」の「お」と同根であると言われています。つまり「親世代(一世代上の存在)」になることが「おゆ」なのですね。

「老ゆ」の類義語として「年をとる」と訳す語に「ねぶ」がありますが、「ねぶ」のほうは「少年が青年になる」という文脈でも用いますし、「実際の年齢よりも大人びる・ませる」という意味でも用います。つまり、「ねぶ」はシンプルに「年を重ねる」ということです。

その一方「老ゆ」は、「活躍世代よりも一段階上の世代に属すること」を意味します。

ところで、ヤ行上二段活用の動詞は「老ゆ(おゆ)」「悔ゆ(くゆ)」「報ゆ(むくゆ)」の三語ですので、覚えてしまいましょう。

「およすく」っていうのもあったね。

「およすく」は、「老よすけ」からきていると言われており、「け」は「そのように見える」ということなので、「大人に見える」という意味になります。

実際の使用例をみると、「おゆ」よりも「およすく」のほうが「ねぶ」に近いですね。

例文

年経れば よはひは老いぬ しかはあれど 花をし見れば 物思ひもなし (古今和歌集)

(訳)年月が経ったので、年齢は老いてしまった。そうではあるが、この桜の花を見ると、物思いして悩むこともない。

山辺に冬若く、野辺に春おいたり。(宇津保物語)

(訳)山のほとりでは冬が始まったように見えて、(しかし)野原では春が盛りを過ぎている。