まじめ×2
意味
(1)いかにもまじめである・誠実である
(2)実用的である・日常生活向きである
ポイント
「真実」「真目」といったことばが、「まじめ」を意味しており、それを2つ重ねているのが「まめまめし」です。
普通に「まじめである」と訳すこともあるのですが、「まめ」を二回言うくらい強調されていますので、「いかにもまじめである」「きわめてまじめだ」などのように、ちょっと強めに訳せるといいですね。
「まめなり」ってことばもあったよね。
あります。
「まめやかなり」もあります。
「やか」がちょっとぼかした言い方になるので、「まじめそうに見える」などと訳すこともありますね。
ってことは、
まめやかなり < まめなり < まめまめし
(まじめそう) (まじめ) (いかにもまじめ)
って感じなのかな。
ことばの成立を考えると、そういう関係になりそうですね。
ただ、「まめやかなり」と「まめなり」などは、実際の使い方を見ると、そこまで「強弱」の違いは感じられず、訳も「まじめだ」で通用します。
「強弱の差」というよりは、表現する人の「好み」かもしれません。たとえば、『源氏物語』では「まめやかなり」が多いので、「やか」をつけた言い回しのほうが好きだったのだと思います。
例文
まめまめしくおぼしなるらむことを、つれなくたはぶれに言ひなしたまひけんよ。(源氏物語)
(訳)きわめてまじめに(結婚しようと)お思いになっていらっしゃることを、なにげなくふざけておっしゃったことよ。
何をか奉らむ。まめまめしきものは、まさなかりなむ。(更級日記)
(訳)何を差し上げようか。実用的な物【日用品】は、きっとよくないだろう。