こはし【強し】 形容詞(ク活用)

ごわごわしている

意味

(1)(表面の感触が)固い・ごわごわしている・ごつごつしている

(2)(力が)強い

(3)(性格が)強情だ・頑固だ

(4)(態度が)堅苦しい・ぎこちない

ポイント

接触する部分が固くてごつごつしていることを意味します。

類語に「こはごはし(強強し)」がありまして、ほぼ同じ意味で用いられます。

あ~。

「こはごはし」と言ってくれれば、現代語の「ごわごわしている」を連想できるけど、「こはし」と言われると、「怖い」なのかと勘違いしちゃうよね。

そうですね。

そのため、「こはし」が問われる場合、誤答の選択肢に「恐ろしくて」という表現がよく出てきます。

「こはし」には「強」の漢字のイメージをしっかり結び付けておいて、「固い・強い・強情だ」といった訳ができるようにしておきましょう。

もち米を蒸したご飯のことを「おこわ」と言いますよね。これは「強飯(こはめし/こはいひ)」からきていることばです。

え・・・

もしかして「飛騨の栗こわい弁当」って・・・「栗強飯(くりこはいひ)」ってこと?

そうだと思います。

栗が怖いわけじゃなかったんだ。

例文

いとこはく、すくよかなる紙に書きたまふ。(堤中納言物語)

(訳)たいそう固く、ごわごわしている紙にお書きになる。

「すくよかなり」も、「ごわごわしている」と訳すことがあります。

つまりこの例文は、似ている意味内容を連続して用いていることになります。

口惜しく、この幼き者はこはくはべる者にて、対面すまじき。(竹取物語)

(訳)残念なことに、この幼い者【かぐや姫】は強情で【頑固で】ございます者で、(帝に)お会いすることはないだろう。

勢いありとて頼むべからず。こはきもの先づ滅ぶ。(徒然草)

(訳)権勢があるといって頼ってはいけない。強いものが真っ先に滅びる。

この文のことば、いとうたてこはく憎げなるさまを、(源氏物語)

(訳)この手紙のことばは、たいそう異様に堅苦しく、親しみがもてないようすであるのを、