いやし【賤し・卑し】 形容詞(シク活用)

意味

① 身分が低い

② みすぼらしい・貧しい・下品だ

ポイント

「卑し」または「賤し」と書きます。

これらを「いやし」と読むことをつかんでおけば、意味をみちびきやすくなります。

基本は「身分が低い」ということですが、人だけではなく、建物などにも使用します。

格が低いということから、「みすぼらしい・貧しい・下品だ」といった訳にもなりますので、文脈に応じて訳しましょう。

対義語は「貴なり(あてなり)」です。

現代語だと「いじきたない」って感じだよね。

古語としても、「心が汚い」「けちだ」などと訳すことがありますから、その意味合いが現代語としては強く残ったのでしょうね。

例文

昔、男ありけり。身はいやしながら、母なむ宮なりける。(伊勢物語)

(訳)昔、男がいた。身分は低いものの、母は皇女であった。

かぐや姫は罪を作りたまへりければ、かくいやしきおのれがもとに、しばしはおはしつるなり。(竹取物語)

(訳)かぐや姫は罪をお作りになったので、このようにみすぼらしいおまえ【竹取の翁】のもとに、しばらくいらっしゃったのである。

ただ文字一つにあやしう、あてにも卑しうもなるは、いかなるにかあらむ。(枕草子)

(訳)ただ文字一つで妙に、上品にも下品にもなるのは、どういうわけであろうか。