あてなり【貴なり】 形容動詞(ナリ活用)

親しみのある高貴さ

意味

(1)身分が高い・高貴だ

(2)上品だ・優雅だ

ポイント

「貴なり」の読みが「あてなり」であることをおさえておくと、意味をみちびきやすいです。

「身分が高い」「高貴である」ということから、その身分にふさわしい気品があるという意味で、「上品だ」と訳すこともあります。

対義語は「いやし(賤し・卑し)」です。

「身分が高い」っていう意味になる古語には、「やむごとなし」があったと思うぞ。

とてもありがたいコメントです。

「身分が高い・高貴だ」と訳す形容詞に「やむごとなし」がありますね。

「やむごとなし」は、「止む事なし」でありまして、「その人を気遣うことを止めることができないほど高貴だ」という意味合いです。

そのことから、「第一級の身分の高さ」「格別な高貴さ」を示します。

一方、「貴なり」は、あくまでも区分のうえで「身分が高い」という語で、「やむごとなし」に比べるとやや落ちる印象ですね。そのぶんだけ、手がとどきそうな、親しみやすいニュアンスを持ちます。

実際、「やむごとなし」は「格別だ・このうえない」という意味で使われますが、「あてなり」にはそこまでの意味はありません。

例文

ひとりはいやしき男の貧しき、ひとりは貴なるを持ちたり。(伊勢物語)

(訳)一人(の女)は、身分が低い男で貧しい夫を、一人は身分高い夫を持っていた。

四十余ばかりにて、いと白うあてに、やせたれど、面つきふくらかに、(源氏物語)

(訳)四十過ぎほどで、たいそう色が白く上品で、痩せているけれど、面持ちはふっくらとして、