感動詞 ― 活用せず、独立している自立語 ―

今日は「感動詞」について学びましょう。

どんとこい。

では、まず「感動詞」を定義します。

感動詞とは

◆自立語である。   (文節の先頭になる)
◆活用しない。    (語尾が変化しない)
◆独立語である。   (文法上、前後とかかわらない)
◆修飾語にならない。 (うしろの語を修飾しない)

ふむふむ。

なるほど。

「ふむふむ」も「なるほど」も感動詞ですね。

へえー。

ふうーん。

「へえー」も「ふうーん」も感動詞ですね。

別に感動してないけどな。

感極まって泣いたりしてないもんな。

感動・応答・呼びかけ(勧誘)・あいさつ・提示

感激して泣いたりしていなくても、「感動詞」に入る語はたくさんあります。一般的に「感動」「応答」「呼びかけ」「あいさつ」「提示」などに分類しますが、古文でこの区別をさせるような問題はありませんので、あんまり気にしなくて大丈夫です。

このうちの「感動」という分類は、「心が強く動いたときに口から出てしまったことば」と考えてください。「ため息」みたいなものも「感動」です。

「はあ~」「はえ~」みたいなものも「感動」を表す「感動詞」ということなんだな。

古語では

古語の感動詞を挙げておきましょう。

感 動  あはれ あな さても 
応 答  えい いさ そよ いな 
呼びかけ いざ いかに もし

など、いろいろあります。

「文の成分」でいうと「独立語」だな。

そうです。

「独立語」は、ほとんどの場合、品詞でいえば「感動詞」になります。

「ほとんどの場合」ということは、そうじゃないこともあるのか。

あります。

たとえば、

竜馬! どこへ行きよるんか?

などと言った場合、「竜馬」は他のことばに係っていかない「独立語」です。

でもこれは「名前」ですよね。「竜馬」という「名前」で呼びかけていることになります。

「名前」は「名詞」ですから、ここでの「竜馬」は、文の成分でいえば「独立語」であり、品詞でいえば「名詞」です。

「独立語」というものは、基本的に「名詞」か「感動詞」のどちらかになります。

じゃあ、「独立語」であることがわかれば、そのうち「名詞ではないもの」を「感動詞」と考えればいいんだな。

そういうことになりますね。

「かけ声」

文法書では、たいてい「感動・応答・呼びかけ」あたりの区別をするんですが、まれに、そのどれにも当てはまらない「感動詞」に出会うことがあります。

なんだと。

どういうものだ?

ソーラン節の最初のほうの「はああァー」などですね。

たしかに「感動」でも「呼びかけ」でも「応答」でも「あいさつ」でも「提示」でもないな。

ただ叫んでるだけだもんな。

これを区別している文法書もあります。

その場合、「かけ声」といいます。

「かけ声」!

そのまんまだな。

お祭りの踊りなどに入る「ヨッ!」とか「サッ!」とかいうのも、「かけ声」ですね。

松岡修造が気合を入れるときに叫んでいる「はっ!」とかも「かけ声」かな。

ドラゴンボールで、ヤムチャが悟空をチョップしたときの「はいいッ!」なんていうも「かけ声」だろうな。

そうなります。

「は!」とか「よ!」とか、特に深い意味もなく発せられる声であれば、「かけ声」だと考えてください。

「感動」と何が違うのかというと、本来であれば、「感動」というのは、「喜び・悲しみ・驚き・疑い」といった「心の動き」の表れなんですね。

ですから、「あな」「あはれ」といったことばは、これらの気持ちを伴っていますから、「感動」になります。

でも、たとえば蹴鞠で鞠を蹴る瞬間に「はっ!」などと言うのは、「喜び・悲しみ・驚き」といった気持ちを伴っていませんね。そういうものは「かけ声」です。

おじさんが立ち上がるときに「よっ!」というのも「かけ声」です。

納得したぞ。

ただ、こういった細かい分類を問うてくる古文の問題はないと考えて大丈夫です。

現代文法(口語文法)だったら、いちおう知っておいたほうがいいですけれど、古文は「感動詞」ということがわかればそれで大丈夫です。