むず(んず) 助動詞

意味

① 【推量】 ~だろう・~ろう

② 【意志】 ~しよう・~よう

③ 【適当・勧誘】 ~がよい・~しよう・~したらどうか

④ 【仮定・婉曲】 ~としたら・~ような

ポイント

助動詞「む」+格助詞「と」+サ変動詞「す」「むとす」がつまって「むず」になりました。

意味は「む(ん)」と同じと考えて大丈夫です。

じゃあ、まずは「む(ん)」の記事を貼っておこう。

意味は「む(ん)」と同じと言いましたが、「む(ん)」をさらに強めて言っている特徴がありますので、「推量」であれば、「より確実性が高い状況」を示していたり、「意志」であれば、「なんとしてもやるぞ」という意識を示していたりします。

平安時代から俗語として登場した語で、中期の和文体にはそれほど出てきません。その後、武士が台頭していくなかで多用されるようになり、「軍記物語」にはかなり出てきます。

「武士のおこり」についてくわしくはこちら。

源氏と平氏ってなんだ? ―武士団のおこり―
平安時代の後半には、「荘園」を守るために、武装した集団が出てきた。「荘園」につい...

男性的な会話表現だったのかな。

そうですね。

清少納言は『枕草子』のなかで、

何事を言ひても、「その事させんとす」「言はんとす」「何とせんとす」と言ふ「と」文字を失ひて、ただ「言はんずる」「里へ出でんずる」など言へば、やがていとわろし。

と述べていますね。

「んとす」はまあいいとして、「んず」っていう短縮形にしちゃいかんだろって言ってんだな。

例文

かのもとの国より、迎へに人々まうで来むず。(竹取物語)

(訳)あの(私がいた)もとの国【月の国】から、迎えに人々がやってまいるだろう

いづちもいづちも足の向きたらむ方へ往なむず。(竹取物語)

(訳)どこへでもどこへでも足の向いているような方向へ行こ

この御格子は参らでやあらむずる。(落窪物語)

(訳)この御格子はお上げ申し上げないでいるのがよいか。

三方より火をかけ、一方よりせめんずるに、(保元物語)

(訳)三方向より火をかけ、(残る)一方より攻めるとしたら