意味
形容詞の語幹について…
① ~なので ~だから *多く、「名詞を○○み」となる。
② 名詞をつくる
動詞または助動詞「ず」について・・・
③ ~たり~たり。
ポイント
形容詞の語幹について、「~ので」という意味になる用法が、よく和歌に使用されますね。
「瀬をはやみ(川瀬が速いので)」とか、「潟をなみ(干潟がないので)」とかいったように、「名詞+を」+「形容詞語幹+み」の構文になることが多いです。
②の「名詞をつくる」用法なんかは、今でもよく使うよね。
「厚み」「重み」「面白み」「軽み」といった用法ですね。
「やばみ」「エモみ」とかも言うよね。
言うんですか?
なかなか見たことがない用法ですね。
最近の若者言葉では、なんにでも「み」をつけて名詞化する傾向がありますね。
共感することを「わかりみが深い」とか言ったり、
サッカーうまいひとを、「メッシみがある」とか言ったり、
そういうやつだろうな。
「メッシみ」の「み」なんかは、「~のような様子」という意味でしょうね。
通じてしまうところがおもしろいですね。
「おもしろみ」や「おかしみ」や「深み」があるよね。
そのへんは正しい使い方ですね。
例文
若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺をさして鶴鳴き渡る (万葉集)
(訳)若の浦に潮が満ちて来ると干潟がなくなるので、葦辺【葦の生えているあたり】をめざして鶴が鳴いて渡って行く。
瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ (百人一首)
(訳)川瀬の流れが速いので、岩にせきとめられる滝川の水が、分かれてもいつか一つの流れになるように、(あなたと)今別れても、いつかは会おうと思う
生駒の山を見れば、曇りみ晴れみ、たちゐる雲やまず。(伊勢物語)
(訳)生駒の山を見ると、曇ったり晴れたりして、立ち上る雲やとどまる雲が絶えない。