意味
増る
① ふえる・多くなる
② 強まる・つのる
勝る・優る
① ひいでる・優れる
② 上である・まさる
ポイント

「増さる」の意味であれば、「ふえる・多くなる」と訳します。
「勝る・優る」の意味であれば、「まさる・優れる」などと訳します。
ひらがなで書かれることが多いので、「増」なのか「勝・優」なのか、文脈判断しましょう。

古文では「増える」とか「減る」とか言わないのかな。

「増える」は現代語ですね。「増ゆ(殖ゆ)」はあったみたいですけど、文中で見た記憶はないですね……。
古文では、何かが多くなるときは、やはり「増す」「増さる」が多いですね。
「減る」も、あんまり見た記憶がないですね……。
何かが少なくなるときは、「失す」とか「欠く」とか「落つ」とか、「見た感じ」で表現することが多いように思います。
ちなみに、「勝る・優る」の対になる表現としては、「劣る」がよく使われます。
例文
人々さへ離れなば、たづきなさもまさりぬべくなむ。(源氏物語)
(訳)人々【女房たち】すら離れてしまえば、ますます頼るもののなさも強まってしまうだろう。
おのれが芸のまさりたることをよろこぶ。(徒然草)
(訳)自分の芸が(人より)優れていることを喜ぶ。