意味
① 比類ない・比べるものがない・二つとない
② (このうえなく)すばらしい・立派だ・優れている
ポイント
「になき」「になく」「になし」など、ひらがなで書かれるとわかりにくいのですが、「二無」という漢字をそのまま訳し、「二つとない」という意味で解します。
「似無」の字を用いることもありますが、意味は同じで、「似たものがない」ということです。
どちらの場合でも、「同等のものがないほど最上である」という超プラスの意味になります。
「他にないほどすごい」という意味なんだな。
そうです。
選択肢の場合は、「きわめてすばらしい」「非常に身分が高い」「この上なく優秀である」とか、文脈にあわせた適訳になるので、「二つとなく優れている」のがいったい何についてなのかを判断する必要がありますね。
例文
おのおのいどましく尽くしたる装ひなどもあざやかに二なし。(源氏物語)
(訳)(女房たち)それぞれが競い合って意匠をこらした装束などもひときわ美しく比類がない。
賭け物どもなど、いとになくて、いどみあへり。(源氏物語)
(訳)賭ける物なども、たいそう比類なく立派で、互いに競い合っている。
昔、男、身はいやしくていとになき人を思ひかけたり。(伊勢物語)
(訳)昔、男は、(自分の)身分は低くて、たいそうこの上ない(身分の)人を恋いしたっていた。