さがなし 形容詞(ク活用)

意味

① 性質が悪い・意地が悪い

② 口が悪い・口やかましい

③ やんちゃだ・いたずらだ *子どもに対して

ポイント

「さが(性)」は「性質・本質」のことであり、それを強調する接尾語である「なし」がついています。

「性質がない」ということではなく、「よくない性質がある」ということなのですね。

「性質」を強調しているだけなのに、どうして「よくない性質」って意味になるんだ?

たとえば、誰かの性格が気になる時って、たいてい「嫌な性格」のときではありませんか?

ああ~。

たしかに、「あいつの性格さあ・・・」って話題になるときって、「悪い話」だよね。

たとえば「さがなき童」などと言う場合、もともとのニュアンスとしては、「性格に何かがある子ども」ということになるんですけど、「何かの性格を持つ子ども」って、文脈としては「気になる性格の子ども」ってことですよね。

ああ~。

「個性的な性格のお子様ですね・・・」「独特な性格のお子様ですね・・・」とか、誉め言葉じゃないもんな。

「さがなし」もそのように、もともとは「性格・性質に何かある」という意味なのですが、文脈上「悪い意味」で用いられるので、「性質・性格が悪い」「意地悪だ」などと訳すんですね。

子どもに対して用いる場合は、「かわいい悪さ」に過ぎないので、「やんちゃだ」「いたずらだ」などと訳すことが多いです。

あと、「さがなし」は、「言葉遣い」の話題で使うことが多いので、「口が悪い」「悪口だ」などと訳すことも多いです。

例文

さるさがなきえびす心を見ては、いかがせんは。(伊勢物語)

(訳)そのような性質の悪い田舎者の心を見ては、どうすればよいか、どうしようもない。

三宮こそいとさがなくおはすれ。常に兄に競ひ申し給ふ。(源氏物語)

(訳)三宮はたいそうやんちゃでいらっしゃる。いつも兄と競い申し上げなさる。

着たまへる物どもをさへ言ひたつるも、もの言ひさがなきやうなれど、(源氏物語)

(訳)着ていらっしゃる着物のことまでもあれこれ言うのも、ものの言い方が口やかましいようであるが、

 

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★重要単語
減点されない古文