![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%82%8F%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A1%E3%82%8D%E3%81%86%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-1-150x150.jpg)
今日はサ行変格活用について学びましょう。
動詞の【活用の種類】は全部で9つです。
9回に分けて話しますが、最初はいつも「接続」の話をします。
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2023/02/326456729_753322976082318_4295573675789614280_n-150x150.jpg)
活用形は、「それ自体」を暗記するより先に、たとえば「ず」の直前は「未然形」になる、といった「接続」を覚えたほうがいいです。
主な接続の関係
未然形につく
ず・む・むず・る・らる・す・さす(助動詞)
連用形につく
たり・けり・き(助動詞)
て(接続助詞)
用言(補助動詞など)
終止形につく
と・とて(引用をうける助詞)
句点
連体形につく
体言(とき・ところ・こと)
を・に・が(接続助詞)
已然形につく
ど・ども(接続助詞)
命令形につく
と・とて(引用をうける助詞)
句点
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%82%8F%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A1%E3%82%8D%E3%81%86%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-1-150x150.jpg)
上に示した「接続の関係」は、早い段階で覚えてしまったほうがよいです。
各種の「活用表」を覚えるよりも、先にこちらを覚えてしまいましょう。
「べし」は終止形(ラ変は連体形)につくなど、他にもいろいろありますが、まずは上に示したものを優先して覚えましょう。
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%81%86%E3%81%95%E3%81%8A%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-150x150.jpg)
ということは、動詞「す」の下に「ず」があるときは、「せず」になるから、「す」の未然形は「せ」ということになるんだな。
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%82%8F%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A1%E3%82%8D%E3%81%86%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-1-150x150.jpg)
そうです。
「ず」をつけたときの直前が「活用語尾」になりますね。
「す」の場合、「す」がそのまま「せ」になっていますので、「語幹」と「活用語尾」の区別がありません。
もうひとつの「おはす」は、「おは」が「語幹」で、「す」のところが「活用語尾」です。
(例)「す」「おはす」の活用表
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%82%8F%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A1%E3%82%8D%E3%81%86%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-1-150x150.jpg)
「す」と「おはす」の活用表を、教科書のようにタテに書くと、次のようになります。
お |(す)語
は | 幹
ーーーーーーー
せ | せ 未
| 然
ーーーーーーー
し | し 連
| 用
ーーーーーーー
す | す 終
| 止
ーーーーーーー
す | す 連
る | る 体
ーーーーーーー
す | す 已
れ | れ 然
ーーーーーーー
せ | せ 命
よ | よ 令
*注1「おはす」については、命令形に「おはせ」がある。
*注2「おはす」を「四段」「下二段」とみる説もあるが、「サ変」とみる説が有力である。
*注3「います」は「四段」に分類されるが、中古の和文では「サ変」で活用する例が少なくない。
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%82%8F%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A1%E3%82%8D%E3%81%86%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-1-150x150.jpg)
この活用の仕方は、「す」と「おはす」しかない特殊な活用なので、「サ行変格活用」といいます。
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%81%86%E3%81%95%E3%81%8A%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-150x150.jpg)
「おはす」の命令形は、「おはせ」もあるんだ。
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%82%8F%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A1%E3%82%8D%E3%81%86%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-1-150x150.jpg)
そうです。
慣例上、表には入れないことが多いのですが、「おはせ」ともいいます。しかも、「おはせよ」より「おはせ」のほうが多く出てきます。
「おはす」については、上代では「四段」で活用しており、のちに「サ変」になっていったという考えもあります。ただ、学校の試験においては、「サ変」だと考えてください。
「体言」などに「す」がついた複合語は「サ変」
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%82%8F%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A1%E3%82%8D%E3%81%86%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-1-150x150.jpg)
いま見てきたように、「サ行変格活用」は「す」と「おはす」だけになりますが、「体言」などに「す」がついた複合語は「サ変」になります。
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%81%86%E3%81%95%E3%81%8A%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-150x150.jpg)
たとえば?
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2021/10/atsumori-150x150.png)
旅す
恋す
心す
案ず
具す
念ず
信ず
などだな。
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2021/05/naozane-150x150.png)
甘んず
全うす
重んず
といった、「形容詞+す」も一語のサ変動詞として扱う。
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%81%86%E3%81%95%E3%81%8A%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-150x150.jpg)
これって、「○○ず」でも「サ変」なの?
![](https://hohoemashi.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%82%8F%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A1%E3%82%8D%E3%81%86%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-1-150x150.jpg)
「案ず」とか、「念ず」とかは、発音の都合上で結果的に「ず」になったのであり、もともとは「案+す」「念+す」です。
そのため、「サ行」と考えます。