すさぶ【遊ぶ・荒ぶ】 動詞(バ行四段活用・バ行上二段活用)

勢いのまま、気の向くまま!

意味

(1)気の向くままに行う

(2)慰み楽しむ

(3)勢いのまま激しくなる

(4)気の向くままに~する・ほしいままに~する  *補助動詞として

ポイント

「スサ」が「思うままにふるまう」ことを示しており、「すさぶ」は「勢いのおもむくままにふるまう」という意味になります。

「気の向くまま」のほうに力点があれば「慰み楽しむ」という意味になり、「勢い」のほうに力点があれば、「激しくなる」といった意味になります。

上代では「上二段」で活用していましたが、平安時代からは「四段」で定着したようです。

現代語だと、「荒れている」っていう意味で使うよね。

古語だと、どちらかというと「気の向くまま」という意味のほうが多いですね。

形容詞「すさまじ」も同根のことばなので、いっしょに覚えておくといいと思います。

こちらは、物事が気の向くままに進んでいってしまって、それに対して「なんだかなあ」とがっかりしている気持ちを表しています。

「すさび」っていう名詞もよく出てくるよね。

よく出てきますね。

名詞「すさび」は、「気の向くまま」のニュアンスのほうで使用するので、「慰みごと」とか「気まぐれ」などと訳すことが多いですね。

例文

箏の御琴引き寄せてかき合はせ、すさび給ひて、(源氏物語)

(訳)(源氏は)箏のお琴を引き寄せて調子を整え、慰みに気ままに】お弾きになって、

笛をえならず吹きすさびたる、(徒然草)

(訳)笛を言いようもなくほしいままに気の向くままに】吹いている。