あさむ【浅む】 動詞(マ行四段活用)

え、意外!

意味

(1)驚きあきれる

(2)さげすむ・軽蔑する・あなどる・見下す

ポイント

「常識」や「社会通念」といった「器の深さ」に対して「浅い状態」、すなわち「ぴったりしていない」というズレに対して驚きあきれることを意味しています。

「あるべき状態」と「現実」がズレていることへの驚きであり、良い意味でも悪い意味でも用いました。

ただ、「そんなはずじゃない!」という意味合いなので、どちらかというと悪い意味での使用が多く、やがて(2)のような訳し方が増えていきました。

「想定外!」みたいな感じなんだね。

そうですね。

ここから生まれた形容詞「あさまし」がよく問われますので、注意しておきましょう。

例文

集まり居たる鬼どもあさみ興ず。(宇治拾遺物語)

(訳)そこに集まり座っていた鬼どもは、驚きあきれ面白がる。

これを見る人、あざけりあさみて、「世の痴れ者かな。かく危ふき枝の上にて、安き心ありて眠るらんよ」と言ふに、(徒然草)

(訳)これ【木の上で眠る人】を見る人は、(その人を)ばかにしてさげすんで、「この世のばか者かな。このような危ない枝の上で、どうして安心した心で眠っているのだろう」と言うと、