なかなかなり【中中なり】 形容動詞(ナリ活用)

意味

① 中途半端だ・どっちつかずだ

② かえってしないほうがよい

ポイント

「中」を重ねて形容動詞化したものです。

ここでの「中」は「中途・中間」の意味なので、「なかなかなり」は、始めでも終わりでもない中途半端な状態を示していることになります。訳はそのまま「中途半端だ」となります。

この「中途半端だ」という意味から、「かえってしないほうがよい」という意味でも用いられます。

類語である副詞「なかなか」は、「かえってしないほうがよい」という意味の「かえって」に重みがあり、「かえって」「むしろ」と訳します。

現代語だと、「このラーメン、なかなかの味だな!」なんて言う場合、ほめていることになるけど、古文だといい意味じゃないんだな。

古文だと、「中途半端な味だなあ」とけなしていることになりますね。

例文

琴の端を知らせむかしと思ひしかど、なかなかなることは知らせじとて、(宇津保物語)

(訳)琴の(技術の)一部を教えようかなと思ったけれど、中途半端なことは教えまいと思って、

髪の筋なども、なかなか昼よりも顕証に見えてまばゆけれど、(枕草子)

(訳)髪の毛筋なども、かえって昼よりもあらわに見えてきまりが悪いけれど、

1つめが「形容動詞」の例文で、2つめが「副詞」の例文です。