ありつく【有り付く・在り付く】 動詞(カ行四段活用)

意味

① 住みつく(定住する)・住み慣れる(安住する)

② 落ち着く・なじむ

ポイント

「あり」+「付く」です。

「存在が定着する」というニュアンスであり、場所・住居などの話題で用いるのであれば「住みつく・住み慣れる」と訳します。

人間関係・文化・習慣などの話題で用いるのであれば「落ちつく・なじむ・慣れる」などと訳します。

現代語みたいな「まったく、仕事がいそがしくて、午後3時になっても昼飯にありつけないぞ」なんていう使い方はないんだな。

「求めていたものをやっと手に入れる」というような意味ですね。

古語の「ありつく」にその意味はありません。

なお、古文で「ありつかず」と言ったら、引っ越しをした後などの「決まった言い回し」のようになっていて、たいていは「(まだ)住み慣れない・まだ落ち着かない」という訳になります。

「ありもつかず」というように、間に強調の「も」を入れることが多いですね。

例文

国に大水出で、人を流し里を失ふ。しかれば民ありつくこと難し。(今昔物語)

(訳)国に洪水が発生して、人々を流し、里を失う。そうであるから民は住みつくことが難しい。

さすがに、かかる古代の心もとどもにはありつかず。(源氏物語)

(訳)そうはいってもやはり、このような古風な心持ちにはなじまない【慣れない】。

ありもつかずいみじうものさわがしけれども、(更級日記)

(訳)(新しい住居に)落ち着かずたいそう立て込んでいるけれども、