こころう【心得】 動詞(ア行下二段活用)

ココロGETだぜ!

意味

(1)理解する・納得する・悟る

(2)気をつける(理解して行動する)

(3)熟達する・たしなみがある *多く「存続」の助動詞「たり」を伴う

(4)承知する・同意する *中世後期以降の用法

ポイント

名詞「心」と、ア行下二段動詞「得」の複合語です。

ア行で活用する動詞は非常に少ないので、文法問題でも問われやすい語です。

「心」にGETするということなのかな。

「心のはたらき」を「手に入れる・ものにする」という感じで、「理解する」「悟る」という意味になることが多いですね。

また、「心」は「中心・本質」ということであり、「ある行動の中心的ポイント」や「ある概念の要点」なども「心」と言うので、「要点をつかむ」とか「概念を知る」というニュアンスでも「心得」ということがありますね。

「理屈・思考・要点・概念」をゲットするということなんだな。

だいたいそんな感じです。

「理屈」などを理解して、行動の際にそれを意識することを「気をつける」と訳すのかな。

そうですね。

そういう営みが身体になじんでいて、「特別な意識」がなくてもできるようになっていれば「熟達する」「たしなみがある」などと訳します。

現代語だと、けっこう(4)の「承知する・同意する」の意味で使うよね。

(4)は中世後期くらいからの用法です。

武家社会では、即応しなければならない指示事項が増えてきますので、「理解せよ」という命令が、「その通りに動け」ということを同時に意味していることも多くなります。

返事をする側からしても、たとえば「心得たり」という返事が、「理解しました」という意味を超えて、「その通りにやります」という意味を含んでいるケースが増えてきます。

現代語でいう「わかりました(そうします)」みたいな感覚ですね。

例文

まづ酒を勧めて、強ひ飲ませたるを興とすること、いかなるゆゑとも心えず。(徒然草)

(訳)(人に)まず酒を勧めて、無理強いして飲ませていることをおもしろさとするのは、どのようなわけとも理解できない。

転び落ちぬやうに心えて炭を積むべき。(徒然草)

(訳)(炭火が)転がり落ちないように、気をつけて【やり方を理解して】炭を積むべきだ。

わが心えたることばかりを、おのがじし心をやりて、人をばおとしめなど、かたはらいたきこと多かり。(源氏物語)

(訳)自分のたしなみがあることだけを、各自が得意になって、人をおとしめたりなど、見苦しいことが多い。

(3)「熟達している」「たしなみがある」という意味で用いる場合、多くは「存続」の助動詞「たり」を伴います。

「これへ見せい」「心えました」(末広がり)

(訳)「こちらに見せろ」「承知しました」

こちらは狂言のセリフです。

現代語の意味と同じですね。

 

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