あたらし【惜し】 形容詞(シク活用)

意味

① 惜しい・もったいない

ポイント

「あたらし」は、漢字で書くならば「惜し」です。意味もそのまま「惜しい」なので、漢字とセットで覚えてしまいましょう。

「あたらし」の「あた」は、「あたひ(価・値)」の「あた」と言われており、もともとは「価値がある」「すばらしい」という意味で使用されていました。

それが次第に、「本当は価値があるのに、発揮されていなくて、そのことが惜しい、もったいない」という意味で使用されるようになり、平安時代以降の用法はほとんどがそちらの「惜しい・もったいない」という意味です。

「惜し」って書いてあったら「をし」って読んじゃいそうだけどな。

「をし」とも読みます。

そのため、文中で漢字で書いてあったら、「あたらし」と読むべきなのか、「をし」と読むべきなのかわかりません。

なんと!

ただ、たいていは、「惜し」と漢字で書いてあったら、「をし」です。

「あたらし」の場合は、ひらがなの場合が多いですね。

それに、意味はどちらも「惜しい」ですから、見分けがつかなくても大丈夫です。

それはよかった。

ただし、「あたらし」のほうは、「真価が発揮できていないこと」に対する「惜しい」という意味で、「をし」のほうは、「失われてしまうもの」に対する「惜しい」という意味なので、使用される文脈はけっこう違います。

本来の能力が高いのに低い地位にいることなどを「惜しい」と思う場合は、「あたらし」になります。

美しい花が散ることを「惜しい」と思う場合は、「をし」になります。

例文

若くして失せにし、いといとほしくあたらしくなむ。(増鏡)

(訳)若くして亡くなったのは、たいそう気の毒で惜しいことだ。

際ことに賢くて、徒人にはいとあたらしけれど、(源氏物語)

(訳)際立って賢明なので、普通の臣下とするにはもったいないけれど、