いかに【如何に】 副詞・感動詞

How? Why? Hey!

意味

副詞

(1)どのように・どう 

(2)なぜ・どうして(~か)

(3)どんなにか(~だろう) *推量表現と呼応する

(4)なんとも(~である) *断定表現・感動表現と呼応する

感動詞

(1)やあ・おい・ちょっと・さあ・もしもし *感動詞として独立している

意味

形容動詞「いかなり」の連用形が、そのまま副詞として定着したものなので、(1)の用法などは、「形容動詞の連用形」or「副詞」のどちらとも言えない使い方です。

「どうやって?」とか「どのように?」と、相手に問う際に使用することが多いことばですから、そのまま独立して「呼びかけのことば」としても用いられました。

その場合は、文法上どこへも係っていかないので、「感動詞」として扱います。

英語で言うと、「How」にも「Why」にも「Hey!」にもなるってことだな。

まさにそういうことです。

例文

あやし、いかにするにかあらん。(大和物語)

(訳)不思議だ、どうするのであろうか。

この例文のように、「どうやって(~する)」「どのように(~する)」「どう(~する)」と訳す「いかに」は、「形容動詞の連用形」とも言えます。

その月、何の折、その人の詠みたる歌はいかに。(枕草子)

(訳)何月、何の時、だれそれという人が詠んだ歌はどうか(どのようなものか)

丹後へ遣はしける人は参りたりや。いかに心もとなく思すらむ。(十訓抄)

(訳)丹後へおやりになった方は参上したか。どんなにか不安で落ち着かなく思っていらっしゃるだろう

現在推量の助動詞「らん」と呼応しています。

あなものくるほし。いかに、よしなかりける心なり。(更級日記)

(訳)ああばかげたことだ。なんとも、くだらない考えである

断定の助動詞「なり」と呼応しています。

いかに佐々木殿、高名せうどて、不覚したまふな。(平家物語)

(訳)おい佐々木殿、手柄をあげようとして、油断して失敗しなさるな。

「呼びかけ」として独立していますので、「感動詞」です。

「感動詞」は、「おい」「やあ」「ちょっと」「もしもし」などと訳しましょう。