いまめかし【今めかし】 形容詞(シク活用)

ナウい

意味

(1)目新しくしゃれている・当世風で美しい・今風で華やかだ

(2)軽薄だ・今さらわざとらしい

ポイント

「今めかし」は、動詞「今めく」と同根の語です。

「~めく」は接尾語で、「~のようになる」「~らしくなる」ということですから、「今めく」というのは、「今風になる」「当世風に振る舞う」といった意味になります。

「今めかし」は、その形容詞版です。基本的には、「目新しくてしゃれている」「今風で華やかだ」などと訳します。

「ナウい」ってことだな。

ええ、まさに「ナウい」ってことです。

おばあちゃんが「モダンねえ」っていうのも近いよね。

そうですね。

「モダン」「近代」という意味なのですが、「近代化の波がおしよせているその時」に使うのであれば、まさに「目新しくておしゃれ」という意味合いだったわけですね。

なるほどな!

とにかく、「今めかし」は、流行に敏感でおしゃれだなあ!」っていうほめ言葉なんだな。

基本的にはそうです。

ただ、「リアルタイムの流行に乗りすぎている人」って、正直どう思います?

うーん。

そればっかり追いかけている人を見ると、ちょっと引くかもしれないな。

ミーハーな感じがするよね。

ですよね。

古語の「今めかし」も、「深く考えずに流行どおりにする浅はかさ」を批判的に見る使い方があります。

その場合は、「軽薄だ」「浮ついている」「今さらわざとらしい」などと訳します。

例文

髪のうつくしげにそがれたる末も、なかなか長きよりもこよなう今めかしきものかなとあはれに見たまふ。(源氏物語)

(訳)髪がきれいに切られている毛先も、かえって長いよりも格別に今風でしゃれているものだなあと(思い)、しみじみと趣き深くご覧になる。

いまめかしき申し事にて候へども、七代までは此一門をいかでか捨てさせ給ふべき。(平家物語)

(訳)今さらわざとらしい申し分でございますが、(この後)七代までは、この【平家の】一門をどうしてお見捨てになってよいものか、いや、よいはずがない。