マネる! 伝える!
意味
(1)まねる・まねをする
(2)(見聞きしたことをそのまま)人に伝える・語る・表現する
(3)習う・学ぶ・習得する
ポイント
「真似」に、「〜のようになる」「〜の状態になる」という接尾語「ぶ」がついて、「まねぶ」という動詞になりました。
「本当に似ている状態になる」ということなんだな。
鄙ぶ (田舎じみる)
ほとぶ (ふやける)
ねぶ (大人びる)
など、「ぶ」がついて動詞化した動詞はけっこうありますよ。
「ひなぶ」の「ひな」は「田舎」って意味だろうけど、「ほとぶ」の「ほと」とか「ねぶ」の「ね」とかは何なんだ?
「ほと」は、「解く」「施す」の「ほと」と同じだと思います。「ひとつのものがほどけて散らばる」ようなことですね。
鳩サブレ―とか、豆乳かけるとひたひたになってほとほとになるもんね。
「ねぶ」の「ね」は、手元の本にはどれも載っていないのですが、意味から推察すると、「年ぶ」じゃないかなあと思っています。見当違いだったらごめんなさい。
ああ〜。
年を取るってことだもんね。
たぶん合ってるよ。
「まねぶ」に話を戻しますと、(1)の意味は覚えやすいと思うのですが、(2)の訳し方に注意してほしいです。
「モノマネをする」という意味ではなく、「事実をありのままに伝える」ということになります。ただ単に「言ふ」とか「語る」ということではないのですね。
コント芸人が、「昨日コンビニでこんなことがありまして〜」とか言って、身振り手振りでそのときの様子を再現するようなものかな。
けっこう近いと思います。
「再現するかのように伝える」というイメージですね。
例文
鸚鵡いとあはれなり。人のいふらむことをまねぶらむよ。(枕草子)
(訳)おうむはたいそう趣き深い。人がいうようなことばをまねるようだ。
この夢合ふまで、また人にまねぶな。(源氏物語)
(訳)この夢がそのとおりになるまで、他の人に(そのまま)伝えるな【語るな】。
はかばかしきことは片端もまねび知り侍らねば、尋ね申すまでもなし。(徒然草)
(訳)しっかりしたことは少しも学び知っておりませので、お尋ね申し上げるまでもありません。