みやび【雅び】 名詞

宮廷風!

意味

(1)宮廷風(なこと)・都会風(なこと)

(2)優雅風流・上品 (な状態/なふるまい)

ポイント

上二段動詞「みやぶ」が名詞化したものです。

「みやぶ」は「宮ぶ」であり、「宮廷のような状態になる」「宮廷風の行いをする」ということです。

フランス的にいうと、「ヴェルサイユ宮殿風」みたいな感じかな。

似たようなものだと思います。

要するに、王様や貴族のような、「上品・優雅・風流」な状態や行為を意味しているのですね。

ということは、反対に「田舎じみている」といったことばもあるのかな。

あります。

「みやぶ」に対して、「ひなぶ(鄙ぶ)」とか「さとぶ(里ぶ)」という動詞があります。

「田舎じみる・田舎風である」という意味になります。

「宮」の反対になるのが、「鄙」「里」なんだね。

そういうことになります。

「鄙(ひな)」は、現代語でも「ひなびた温泉街」などという使い方をしますね。

「辺鄙(へんぴ)なところ」の「ぴ」も「鄙」の字を使います。

例文

昔人は、かくいちはやきみやびをなむしける。(伊勢物語)

(訳)昔の人は、このように熱烈な【いちずな】風流(なふるまい)をしたとかいう。

あしひきの山にし居ればみやびなみわがするわざをとがめたまふな (万葉集)

(訳)山に住んでいるから優雅ではない【都会風ではない】ので、私のするふるまいをおとがめになるな。

「なみ」は、形容詞「なし」の語幹「な」+接尾語「み」の用法で、「ないので」と訳します。