つげる!
意味
(1)言う・告げる・宣言する
ポイント
主に上代につかわれたことばでです。「言う」と訳して問題ありませんが、「普通のことば」ではなく、「神聖なものにかかわる呪力をもった発語」に用いられました。
もともとは神が大切なことばを表明する意味ですが、逆に神に対して大切なことを申し上げる意味でも用いられました。
「祝詞(のりと)」の「のり」とか、「祈る(いのる)」の「のる」とかの前身なのかな。
そうですね。
「詔(みことのり)」の「のり」などもそうですね。
ほかにも、
のらふ ⇒ のろふ(呪ふ)
のりたまふ ⇒ のたまふ(宣ふ)
といったように、中古でよく使用される動詞の一部にもなりました。
やあ~。
それにしても「告る」のことずっと「コクる」って読んでたよ。
現代の若者ことばでいうと「コクる」って読みますよね。
ただ、「大切に内に秘めたことを、願いを込めて伝える」という点で、意味内容的には似ているところがありますね。
例文
母は問ふともその名はのらじ (万葉集)
(訳)母が尋ねるとしても、その名は言うまい【告げまい】。
汝の心告れ (万葉集)
(訳)あなたの本心を言え【告げよ】。