やむごとなし 形容詞(ク活用)

意味

① 捨てておけない・やむをえない

② 格別である・この上ない

③ 高貴である・身分が高い

ポイント

「止む+事+無し」で「やむごとなし」になりました。

「止む」が「止まる」「中止になる」ということですから、「やむごとなし」は「(作業を)やめてはいけない物事」や、「(対応を)やめてはいけない人物」などに使用します。

「対応をやめてはいけない人物」というのは、まあ、「偉い人」のことでしょうな。

そのとおりです。

「高貴だ」とか「身分が高い」と訳すことが多いですね。

例文

人に恐れられたる兵どもなりければ、摂津の守もこれらをやむごとなき者にして、後前に立ててぞ仕ひける。(今昔物語集)

(訳)人に恐れられている武士だったので、摂津の守もこの者たちをこの上ない(重要な)者として、周辺に置いて用いた。

いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。(源氏物語)

(訳)それほど高貴な家柄ではないが、際立って帝の寵愛を受けていらっしゃる方がいた。