何かにかこつけた言葉
意味
(1)言い訳・口実
(2)恨み言・愚痴
「かごとばかり」のかたちで・・・
(3)申し訳程度・ほんの少しくらい
ポイント
「託つ(かこつ)」という動詞がありまして、「言い訳する・ぐちをいう」という意味になります。「託言(かごと)」はその名詞版です。
「告事(のりごと)」「独言(ひとりごと)」などが「のりごつ」「ひとりごつ」といった動詞になっていったように、「託言(かごと)」の「と」が「つ」になることで動詞化したと言われています。
ただ、もともと「かこつ」という動詞があり、そこに「言」がつき、つまって「かごと」になったという考え方もあり、どちらが先なのかはよくわかっていません。
現代語だと「かこつける」なんて言うよね。
「かこつ」の類語に「かこつく」というのもありまして、それを現代語では「かこつける」と言いますね。
意味は同じで、「(他の何かを)口実にする・言い訳にする」「(他の何かの)せいにする」ということですね。
名詞「託言」は、漢字のままならイメージわきやすいけど、たいていこういうのって・・・
お察しのとおり、ひらがなで出てきます。
「かごと」「かこと」どちらの場合もありますので、注意しておきましょう。
例文
御返り、口ときばかりをかことにて取らす。(源氏物語)
(訳)(軒端荻は、光源氏への)ご返歌を、受け答えがすばやいことだけを言い訳にして(小君に)渡す。
歌の内容はたいしたことないけれど「返事が早い」のだから許してね、という「言い訳」をしているのですね。
「かごとも聞こえつべくなむ」といはせ給ふ。(源氏物語)
(訳)「恨み言も申し上げてしまいそうでございます」と言わせなさる。
褶だつものかごとばかりひきかけて、かしづく人はべるなめり。(源氏物語)
(訳)(若い女たちは)しびらのようなものを申し訳程度に(腰に)ひきかけて、大切に養育する人がございますようだ。
「褶(しびら)だつもの」は、「裳(も)」の代用のように腰にまきつけるもので、平安期では略礼装として女性が身に着けました。
「略礼装」をしている女性たちがいるということは、そこに「大切に世話をする対象」がいるのだろうという推測をしているのですね。