かこつ【託つ】 動詞(タ行四段活用)

自分のせいではない!

意味

(1)口実にする・言い訳にする・かこつける

(2)嘆く・不満を言う

ポイント

「託言(かこと)」という名詞がありまして、それが動詞化したものが「かこつ」だと言われています。

「託言」は、「(責任・原因などを)他者に託す言葉」ということであり、「言い訳」「口実」あるいは「非難」「言いがかり」などの意味になります。

「かこつ」は、それらを「動作」に置き換えて訳せばOKです。

「何かのせいにする」というときは、その「何か」を恨めしく思っていることが多いわけだから、その「恨み」が強い時には、「嘆く」なんていう意味にもなるんだな。

そうですね。

(1)は、軽い雰囲気で何かのせいにしているような場合で、(2)は、けっこう本気で落ち込んでいる場合が多いです。

言い回しとして、「~かこつ」の場合には、(1)の意味が多く、「~かこつ」の場合には、(2)の意味が多いです。

例文

酔ひにかこちて苦しげにもてなして明くるも知らず顔なり。(源氏物語)

(訳)酔っていることにかこつけて【酔いを口実にして】つらそうにふるまって(夜が)明けるのも素知らぬ顔である。

逢はでやみにし憂さを思ひ、あだなる契りをかこち、長き夜をひとり明かし、(徒然草)

(訳)(男女が)会わずに終わったつらさを思い、はかない約束を嘆き、長い夜を一人で明かし、