まもる【守る・護る】 動詞(ラ行四段活用)

じっと見つめる・・・

意味

(1)見守る・じっと見つめる

(2)見定める・うかがう

(3)守護する・大事にする

ポイント

「目(ま)+守る(もる)」が一語化したもので、「目を離さずじっと見る」ということです。「まぼる」というときもあります。

そもそも「守る」が「番をする」ということですから、「まもる」は「目で番をする」というニュアンスですね。

(3)の意味だとほぼ現代語と同じだね。

そうですね。

ですから、古文の問題として出題されるときはたいてい(1)の意味です。

例文

花の本には、ねぢり寄り立ち寄り、あからめもせずまもりて、酒飲み、連歌して、はては、大きなる枝、心なく折り取りぬ。(徒然草)

(訳)(桜の)花のもとに、にじり寄って立ち寄り、よそ見もしないでじっと見つめて、酒を飲み、連歌をして、最後には、大きな枝を、心なく折り取ってしまう。

幼心地にも、さすがにうちまもりて、伏し目になりてうつぶしたるに、こぼれかかりたる髪、つやつやとめでたう見ゆ。(源氏物語)

(訳)(若紫は)幼心にも、そうはいってもやはり(尼君を)じっと見つめて、伏し目になってうつむいた時に、(顔に)こぼれかかっている髪は、つややかに美しく見える。

この雪の山、いみじうまもりて、わらはべなどにふみちらさせず、こぼたせで、よくまもりて、十五日までさぶらへ。(枕草子)

(訳)この雪の山を、並々でなく見守って、子どもなどに踏み散らさせないで、こわさせないで、よく見守って、十五日まで残してくださいませ。

この例文などは、「見守る」と訳していますけれども、だいぶ(3)「守護する・大事にする」の意味合いに近いですね。特に2つめの「まもり」はそちらの意味に近いです。