もがな / がな 終助詞

もが もがも もがな がな

意味

(1)~があるといいなあ・あるといいのに

(2)~があればなあ・あったらなあ

ポイント

上代では「もが」という終助詞が同じ意味を持っており、多くは終助詞の「も」がついた「もがも」というかたちで用いられました。

この終助詞の「も」は、中古になると「な」に取って代わられるようになり、「もがも」の「も」についても「な」になっていき、「もがな」が定着しました。

そのうち、最初の「も」のほうが落ちて、「がな」という表現でも用いられました。

いまでも「言わずもがな」って言うよね。

「試験ができなかったのは言わずもがなだ」とか。

使いますよね!

「言わないほうがいいのになあ」ということですが、現代語のニュアンスとしては、「いちいち言うことではなくわかりきっている」「言うまでもなくそのとおりだ」という意味合いで使用しますね。

「がな」は、かの有名な「あつぱれ、よからう敵がな」の「がな」だね。

そうです、そうです!

義仲の戦から離脱する巴が言い放った名台詞ですね。

くわしくはこちら。

例文

心あらん友もがなと、都恋しうおぼゆれ。(徒然草)

(訳)趣きを解する友がいるといいなあ【いればなあ】と思い、都が恋しく思われる。

あつぱれ、よからう敵がな。(平家物語)

(訳)ああ、(最後の戦いをするのに)よさそうな敵がいるといいなあ【いればなあ】