意味
① ありふれている・平凡だ
② いいかげんだ・不十分だ
ポイント
もともとは、山や丘などがなだらかに傾斜する様子を表した語です。山や丘は、「斜め」であることが普通のことですよね。この「水平でも垂直でもない様子」から、「ありふれている」「平凡だ」などという意味が出てきました。
また、水平でも垂直でもない状態を「中途半端」とみなして、「いいかげんだ」「不十分だ」と訳すこともあります。
そのため、「なのめならず」というように、「なのめ」を打ち消して使用する場合、プラスの意味になります。「格別だ」「並々でない」などと訳しますね。
考え方が「なかなかなり」に似ているな。
「なかなかなり」も、「最初でも終わりでもない」ということから、「中途半端だ」というマイナスな意味合いで使用しますね。
たしかに「なのめなり」と「なかなかなり」は似たような文脈で使用されることが多いです。
例文
事が中に、なのめなるまじき人の後見の方は、(源氏物語)
(訳)(妻としての)仕事の中で、いいかげんであってはならない夫の世話というものは、
などかなのめなることだに打ち交じりたまはざりけむ。(源氏物語)
(訳)どうして平凡なところさえお交じりにならなかったのだろう。
この例文は、藤壺の女御があまりにも立派であることに対して、「平凡な部分がないぞ」と評しているところです。