つれなし【連れ無し】 形容詞(ク活用)

意味

① 平然としている・素知らぬふうだ・さりげない

② 冷淡だ・薄情だ

➂ ままならない・思うようにならない

④ 何事もない・何も変わらない

ポイント

「連れ」「無し」なので、「周囲との関係がない」ということを意味しています。

シンプルに「周囲の影響を受けない/影響を持とうとしない」という意味であれば「平然としている」「素知らぬふうだ」「さりげない」などと訳します。

そういった態度にマイナスの意味がこもっていれば、「冷淡だ」「薄情だ」などとふみこんで訳すことになります。

①は「cool(冷静だ)」みたいな意味で、②は「heartless(人情がない)」みたいな意味なんだな。

そんな感じです。

あとは、何に対して「つれなし」と言っているかで、いくつかの応用的な訳になります。

たとえば、「自然現象」に対して使うと、「周囲の影響を受けずに動じないさま」を意味するものとして、「何事もない」「何も変わらない」などと訳します。

「つれなき人」なら、「冷淡な人」なんて訳せるけど、「つれなき山」とかを、「薄情な山」とか訳せないもんな。

そうですね。

あとは、「命」に対して使っていれば、「人間の影響力ではどうにもできない」という意味合いで、「ままならない」「思うようにいかない」などと訳します。

例文

そしり笑はるるにも恥ぢず、つれなく過ぎてたしなむ人、(徒然草)

(訳)(人から)けなされ笑われることにも恥ずかしがらず、素知らぬふうで(その場を)やり過ごして稽古に励む人は、

つれなく申したまふに、いとあさましくおぼしめさる。(大鏡)

(訳)(道長が)平然と申し上げなさるので、(帝は)たいそう驚きあきれていらっしゃる。

雪の山つれなくて年も返りぬ。(枕草子)

(訳)雪の山は何も変わらずに年も改まった。

草葉も水もいと青く見えわたりたるに、上はつれなくて草生ひ茂りたるを、(枕草子)

(訳)草葉も水もたいそう青く一面に見えているところに、表面は何事もなくて草が生い茂っているのを、

かへすがへすつれなき命にも侍るかな。(源氏物語)

(訳)つくづくままならない【思うようにならない】命でございますよ。

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