そこら 副詞

many!

意味

(1)たくさん・多く  *量がとても多いさま

(2)たいそう・非常に  *程度がはなはだしいさま

ポイント

代名詞の「そこ」と、量や程度を示す接尾語である「ら」が一語化したものです。

もともとは、「おおよそそのくらい」という「漠然とした数」を示していましたが、やがて、「はっきり数えられないほど多い」という意味合いで用いられました。

現代語の感覚で「そこら」を目にすると、「そのあたり」っていう場所を示すことばだと思っちゃうよね。

古文にその意味はないので注意しておきましょう。

「そこら」は、「たくさん」「たいそう」で訳します。

なお、類義語に「ここら」がありまして、これも「たくさん」「たいそう」と訳します。

「ここら」は、表現者の近くのものについて、「そこら」は、表現者から少し離れたものについて用いることが多いです。

例文

そこらの年ごろ、そこらの黄金賜ひて、身を変へたるがごとになりにたり。(竹取物語)

(訳)(天人の王が)多くの年月、たくさんの黄金をお与えになって、(あなたは)身分を変えたようになってしまった。

そこらはるかにいかめしう占めて造れるさま、(源氏物語)

(訳)(明石の入道の邸宅が)たいそう遠くまで、豪勢に土地を占有して造ってある様子は、