て+あり
意味
(1)~ている・~てある *存続
(2)~た *完了
(3)~たり、~たり、 *並列
ポイント
「たり」は、「てあり」がつまってできた助動詞です。
言ひてあり
咲きてあり
などが、
言ひたり
咲きたり
となっていきました。
そのため、基本的には「今そうなっている」ことを示します。
よく「完了の助動詞」なんていうけど、どちらかというと「存続」なんだな。
「たり」は構成要素に「あり」があることからも、「その状態が続いている」意味合いが強いですね。
そのため、「存続」の意味になりやすい助動詞です。「~ている」「~てある」と訳します。
「~ている」「~てある」と訳せず、「~た」と訳すしかない場合は、「完了」と考えておきましょう。
あとは、「つ」「ぬ」と同じように、「~たり、~たり」と繰り返す用法は「並列」と考えましょう。
活用・接続
助動詞「たり」の活用です。
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
た ら/た り/た り/た る/た れ/た れ
直前の語は「連用形」になります。
「て」の直前は「連用形」だから、「てあり」がつまった「たり」の直前も「連用形」ってことだな。
例文
紫だちたる雲の、細くたなびきたる。(枕草子)
(訳)紫がかっている雲が、細くたなびいている。
つばくらめの巣くひたらば、告げよ。(竹取物語)
(訳)燕が巣をつくったならば、知らせよ。
重き鎧の上に、重き物を負うたりいだいたりして、(平家物語)
(訳)重い鎧の上に、重い物を背負ったり抱えたりして、