はかばかし【果果し】 形容詞(シク活用)

意味

① はっきりしている・際立っている

② てきぱきしている・はきはきしている

③ しっかりしている・頼りになる

④ きちんとしている・有能だ

⑤ 本格的だ・立派だ

ポイント

「果(はか)」は「はかる」と同根のことばであり、「仕事の分量・目安」「仕事の進み具合」などを示します。

「はかばかし」は、その「果」が重ねて用いられているわけですから、「仕事の進み具合が目に見えて成果を上げている」ということを意味します。

現代語でいうと、「はかどる×はかどる」ってことだな。

「目に見えて成果が上がっている」という文意ですと、「はっきりしている」「際立っている」などと訳します。業績があらわなわけですから、「立派だ」「本格的だ」などと訳すこともあります。

「仕事がどんどん進んでいる」という文意ですと、「てきぱきしている」などと訳します。

そうやって「目に見えて仕事を進められる人(仕組み)」というのは、「きちんと」していて、「しっかり」しているわけであうから、「有能だ」「頼りになる」などと訳すこともあります。

けっこういろんな訳になるんだな。

(a)成果や価値が際立っていること
(b)てきぱき進んでいる仕事
(c)目立って仕事ができる有能な人(仕組み)

この3パターンのどれかで柔軟に訳していきましょう。

なお、「はかなし」という形容詞がありまして、それは「はかばかし」の「果(はか)」が「無し」ということなので、セットで覚えておくといいですね。

例文

とりたててはかばかしき後ろ見しなければ、事ある時は、なほよりどころなく心細げなり。(源氏物語)

(訳)これといってしっかりした【頼りになる】後見人がいないので、何事かがある時は、やはり拠り所がなく、不安な様子である。

やうやう入り立つふもとのほどだに空のけしき、はかばかしくも見えず。(更級日記)

(訳)しだいに足を踏み入れる山のふもとのあたりでさえ、空のようすははっきりとは見えない。

歌詠むともがらの、すぐれたらん中に、はかばかしからぬ歌書かれたらむ、長き名に候ふべし。(古本説話集)

(訳)歌を詠む同輩の、優れた歌の中に、(私の)際立たない【たいしたことのない】歌を書かれたとしたら、長い不名誉にございましょう。

「いかなる歌か詠みたる」と言はれければ、「はかばかしき候はず」とて、(宇治拾遺物語)

(訳)「どんな歌を詠んだのか」とおっしゃったので、「本格的な【立派な】ものはありません」と言って、

 

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