ところせし【所狭し】 形容詞(ク活用)

意味

① 場所が狭い・いっぱいだ

② きゅうくつだ・気づまりだ

③ 堂々としている・重々しい

④ 仰々しい・おおげさだ

ポイント

「ところせし」は、「所+狭し」であり、もともとは単純に「場所が狭い」ということです。

そのことから、狭いと感じられるほど「(物が)いっぱいだ」という意味になります。

ぎゅうぎゅうに詰まっている状態をマイナスに受け止めた場合、「きゅうくつだ」「気づまりだ」という心理を表す語として使用します。

満員電車を「ところせし」と表現した場合、事実として訳すなら「人がいっぱいだ」ということになった、それを「いやだな」と感じる気持ちとして訳すなら「きゅうくつだ」ということになるんだな。

そのとおりです。

でも、それがどうして「堂々としている」という意味にもなるんだ?

これは、その人の態度やオーラがあまりにもビッグに見えて、その人のいる空間が狭く見えてしまうということですね。

ああ~。

あまりにも存在感がビッグで、「その人を立たせるなら、こんな狭いステージじゃだめだよ!」っていう感じなのかな。

そんな感じです!

例文

ところせくわたしもて来る、いとおろかなり。(徒然草)

(訳)(無用なものを)いっぱいに運んで持ってくるのは、たいそう愚かである。

よろづところせき御有様よりは、なかなかやすらかに、みゆきなど御心のままならんとにや。(増鏡)

(訳)(退位した後鳥羽は)万事きゅうくつなご様子よりは、かえって気楽で、おでかけなどお心のままであろうというのか。

出でたまふ気色ところせきを、人々端に出でて見たてまつれば、(源氏物語)

(訳)(光源氏が)お出かけになるようすが堂々としているのを、人々(女房たち)が外に近いところに出て見申し上げるので、