ひじり【聖】 名詞

徳の高い人

意味

(1)聖人・知徳の高い人

(2)天皇 *高い徳で世を治める人

(3)僧・高僧・修行僧  *仏道の徳がある人

(4)達人・名人 *技量にすぐれ、規範となる人

ポイント

「日」+「知り」ということで、「ひじり」となりました。

「お日柄」や「日の吉凶」などを「知っている人」ということになります。つまり、プラスの意味で霊的な力を備えた人物を「ひじり」と呼ぶのですね。

文脈に応じて訳し分けますが、説話などでは「僧」や「高僧」を指すことが多いです。

神聖な力で、「何かをやるべき日」とか、「すべきではない日」とか、「天災が起こりそうな日」とか、そういうのを知っている人ということなんだな。

そういう「知徳の高さ」は、「人間離れ」しているものですよね。

そういう点で、一般人よりは「神様に近い」ような扱いになります。

現代語でいうと、「神ってる」みたいな感じだな。

そうですね。

例文

柿本人麻呂なむ、歌のひじりなりける。(古今和歌集)

(訳)柿本人麻呂は和歌の達人であった。

この、声うちゆがみ、荒々しくて、

(訳)このは、声になまりがあり、粗野であって、

この例文の「ひじり」は、「悲田院の尭蓮上人」のことです。