いかに + か
意味
(1)どのように~か。
どう~か。 *疑問
(2)どうして~か、いや、~ない。 *反語
(3)どうだろうか。
どんなものか。 *「ためらい」や「心配」
(4)いかがなものか。 *「軽い批難」
(5)どうであるか。
どのようか。 *相手への問いかけ
ポイント
形容動詞「いかなり」の連用形「いかに」に係助詞「か」がついて、「いかにか」「いかんが」という連語となり、いずれ「いかが」となりました。
このように、「いかが」の「が」は、もともと疑問・反語の係助詞「か」なので、用例も疑問か反語で訳すものが多いです。
係り結びの法則がはたらき、文末は「連体形」になります。
いまでもけっこう使うよね。
「いかがしてそこに辿り着こう」とか、「コーヒーいかが?」とか、「その戦略はいかがなものか」とか、いろいろ使いますね。
単純に疑問を投げかける場合だけではなく、何かを心配したり、非難したりする場合でも用いられます。
ああ~。
今でも、「そんなことをするのは、いかがなものか」とか、「ダメだよ」って意味で使うよね。
現代語の「いかがわしい」もここから来ているようですね。
例文
月のいと明きに。これに、歌詠め。いかがいふべき。(枕草子)
(訳)月がとても明るいね。これを題に、歌を詠め。どのように詠むだろうか。
「我をばいかが見る」と仰せらる。(枕草子)
(訳)「私をどのように見るのか」とおっしゃる。
この玉はたはやすくえ取らじを、いはむや、竜の頸に玉はいかが取らむ。(竹取物語)
(訳)この玉を容易には取ることができないだろうに、ましてや、竜の首にある玉はどのように取ることができようか、いや、できない。
文脈上、「反語」で訳します。
皆人、別当入道の包丁を見ばやと思へども、たやすくうち出でむもいかがとためらひけるを、
(訳)すべての人が、別当入道の包丁さばき(料理の腕)を見たいと思うが、軽々しく口に出すのもどんなものかとためらっていたところ、