意味
① どうして~か *疑問
② どうして~か、いや~ない *反語
ポイント
「何+と」が「なんど」になり、「など」になったと言われます。
「なんぞ」が「なぞ」になったことと似ていますね。
「など」の後ろにそのまま「か」「て」などがつくこともあります。
「などか」「などかは」「などて」「などてか」「なぞ」「なんぞ」などは、ほぼ同義の語だと考えましょう。
基本的に、副詞の「など+α」は「どうして・なぜ」と考えておけばいいんだな。
「どうして」「なぜ」と訳し、主に「疑問」か「反語」の訳し方をします。
例文
など、かくたのもしげなく申すぞ。(竹取物語)
(訳)どうして、このように頼りないことを申すのか。
「などいらへもせぬ」と言へば、「涙のこぼるるに、目も見えず、ものも言はれず」と言ふ。(伊勢物語)
(訳)「どうして返事もしないのか」と言うと、「涙がこぼれるので、目も見えず、ものも言えない」と言う。
などか異物も食べざらん。(枕草子)
(訳)どうして他の食べ物も食べないだろうか、いや、食べないはずがない(きっと食べるはずだ)。
まことに知らぬ人もなどかなからむ。(徒然草)
(訳)ほんとうに知らない人も、どうしていないだろうか、いや、いないはずがない(きっといるはずだ)。
などかは女といはむからに、世にあることのおほやけわたくしにつけて、むげに知らずいたらずしもあらむ。(源氏物語)
(訳)どうして女だからといって、世間にある公事・私事について、全く知らず、関心がなくてよいだろうか、いや、よくない(知っていたほうがよい)。
一般的に、「か」は「疑問or反語」の可能性が五分五分ですが、「かは」になると「反語」の可能性が高くなります。
「など」につく場合でも、「などか」は「疑問or反語が五分五分」、「などかは」は「反語の可能性が高い」と考えておきましょう。ただし、100%ではありません。