ゴロピカリ
意味
(1)大げさだ・仰々しい・ものものしい
(2)気味が悪い・不気味だ・恐ろしい
(3)さわがしい・けたたましい
(4)はなはだしい・重い・ひどい
ポイント
動詞「おどろく」と同根の語です。
「おどろ」はもともと擬音語で、雷の音を示していたようですね。
「ゴロゴロ」が「おどろおどろ」ということか。
そういうことでしょうね。
不吉な雷のように、「ものすごくて、恐ろしくて、けたたましい」ものを形容すると考えましょう。
ふむふむ。
同じように「大げさだ」という意味になる語に「こちたし」がありますが、「こちたし」のほうは、「数が多い」「量が多い」というように、目に見えるものや数えられるものに使用しやすいです。
その一方、「おどろおどろし」のほうは、雷に代表されるように、視覚的なものにも聴覚的なものにも使用されます。
ああ~。
光り具合もゴロゴロ音もすごいもんね。
そのため、「さわがしい」とか「けたたましい」と訳すこともあるんですね。
「こちたし」のほうには、こういった聴覚的な意味はありません。
例文
まことにおどろおどろしきことはさるものにて、かくやうの歌や詩などをいとなだらかにゆゑゆゑしう言ひ続けまねぶに、(大鏡)
(訳)本当にものものしいこと【政治の話】は言うまでもなく、このような和歌や漢詩などをたいそう滑らかにたしなみ深く、伝わることをそのまま人に言い続けるので、
いとおどろおどろしくかきたれ、雨の降る夜、(大鏡)
(訳)たいそう不気味に雨雲がたれこめ、雨が降る夜、
目に見えぬ鬼の顔などのおどろおどろしく作りたるものは、(源氏物語)
(訳)目に見えない鬼の顔などの恐ろしく作ってあるもの【絵】は、
こは、誰そ。いとおどろおどろしう際やかなるは。(枕草子)
(訳)これは(大声で女房を呼んでいるのは)、誰か。たいそうさわがしく際立っている声(の主)は。