いきおいがとまる
意味
(1)なまける・とぎれる
(2)病気が治る・快方に向かう・病の進行がおさまる
(3)過失を犯す
(4)油断する・気を抜く
ポイント
「おこたる」の「おこ」は、「おこなふ」という語の「おこ」と同じで、「行動・行為」を意味しています。
その「おこ」が、「垂る」ということで、「途中で勢いが弱まる」とか、「進行が止まる」といったニュアンスになります。
ああ~。
進行していた行いがぐにゃっと垂れさがっちゃう感じなんだね。
たしかに、「おこたる」は現在でも「怠ける」という意味になるけど、「怠ける」というのは、まさに「進めなきゃいけないこと」を進めずに、停滞してしまうことだもんね。
試験で注意したいのは、「病気が治る」という意味があることです。
「なまける」と「病気が治る」って、ぜんぜん違う気がするけど・・・。
「病魔が怠けている」という考え方でいいと思います。
病の進行が停滞するので、「快方に向かう」と訳したりもしますね。
あとは、「気持ち」がふいっと抜けてしまうというニュアンスで、「油断する」などと訳すこともあります。
また、進行通り(計画通り)に実施することができないというニュアンスで「過失を犯す」「失敗する」などと訳すこともあります。
ただ、試験に関して言えば、圧倒的に「病気が治る」の意味で問われやすいですね。
例文
この宮の御心地、さらにおこたらせ給はず。
(訳)この宮のご病気は、まったくお治りにならない。
若くより法華経読誦して、老いに至るまでおこたることなかりけり。
(訳)若い頃から法華経を読み唱えて、老齢にいたるまで怠けることがなかった。