なむ　（まぎらわしい語の識別）

「なむ」というひらがなについて、まぎらわしいのは次の４つです。

活用語の連用形についている「なむ」は、①の用法になります。

この場合の「な」は、「～た」と訳さないので、「完了」ではなく「確述・確認・強意」などの意味とすることが多いです。

よく「確述用法」といわれるものですね。

活用語の未然形についている「なむ」は、②の用法です。

「他への願望」を示し、「～てほしい」と訳します。

「係助詞」の「なむ」は、主に「強調」のはたらきをするので、取りはずしてしまっても、「文意」は変わりません。

なくなっても訳に影響がない「なむ」は「係助詞」です。

なお、係助詞の「なむ」がある場合には、「結び」は連体形になっています。

ナ変動詞「死ぬ・往ぬ・去ぬ」に「む」がつくと、

死な　む
往な　む
去な　む

となります。

漢字で書かれていれば問題ありませんが、「いぬ」のほうはひらがなで書かれていることもありますので、「いなむ」という表現には注意しましょう。

①　助動詞「ぬ」の未然形＋助動詞「む」の終止形・連体形

です。

②　終助詞

です。

②　係助詞

です。

④　ナ変動詞の活用語尾＋助動詞「む」の終止形・連体形

です。