信頼感・安心感
意味
(1)頼りになる・あてになる
(2)心強い・安心できる
(3)期待できる・楽しみだ
(4)裕福だ
ポイント
動詞「頼む」が形容詞化したものです。
「たのむ」のほうを先に見てもらえるとうれしいです。
「のむ(なむ)」が、「祈る」とか「懇願する」とかいった意味だったね。
はい。
平安時代には、「のむ」はあまり見られなくなって、「たのむ」が増えていきます。
「たのむ」の「信頼する」「期待する」といった意味がそのまま形容詞になったのが「たのもし」です。
「信頼」や「期待」の対象となるどっしりとした安心感のある存在を「たのもし」と表現するのですね。
「あてにできる」ということは、物理的に栄えていることを意味することも多いので、「裕福だ」と訳すこともあります。
例文
たのもしきもの。心地悪しきころ、伴僧あまたして修法したる。(枕草子)
(訳)頼りになるもの。気分が悪いときに、(僧が)おともの僧をたくさん連れて祈禱している(こと)。
宮いとうれしう頼もしと待ち受けたまひて、(源氏物語)
(訳)宮はたいそううれしい、心強い【安心だ】と(思って)待ち受けなさって、
さて、まことに頼もしき人にぞなりにける。(宇治拾遺物語)
(訳)そうして、本当に裕福な人になった。