ことことし・ことごとし【事事し】 形容詞(シク活用)

おおごとにしすぎ

意味

(1)おおげさだ・仰々しい

ポイント

名詞「事」をふたつ重ねて形容詞化したものです。

もとは「多くのこと」を意味したようですが、それが次第に「おおげさだ」という意味で使用されるようになりました。

「事」には、そもそも「大事(重大な事)」という意味がありますので、それが重なることで「実際以上におおごとにしている」ということを示しているとも言えます。

いずれにしても、「ことことし・ことごとし」は、実際の内容面に比べて不似合いであるほど「表現」や「取り扱い」「おおげさだ」ということになります。

ああ~。

こと」だけなら、現代語でも、刑事ドラマなんかで、事件現場を前にして、「ユージ、これは、コトだぜ」「ああ、タカ、こいつはたしかに、コトだ」なんて言うね。

はい。

その場合の「コト」は、実際に「大事件」といった意味で使用されていますね。

その一方、古文の「ことことし・ことごとし」は、実際の事態に比べて、それに対する接し方が「大事件ふうだ」ということになります。

つまり、それほどでもないことを、さも重大そうに扱っているという点で「おおげさだ」「大仰だ」「仰々しい」という訳になるのですね。

例文

これをだにと思ひしかど、ことごとしきわざはえ物せず、ことほきをぞ様々にしたる。(蜻蛉日記)

(訳)せめてこの際にでも(お祝いをしたい)と思ったが、仰々しいことはできず、ことばでのお祝いをいろいろとする。

何事にかあらん、ことごとしくののしりて、足を空に惑ふ。(徒然草)

(訳)何事なのだろうか、大げさに大声で騒いで、足が地につかないさまで歩いている。